2022年4月27日水曜日

「夜中はトイレを流すな!」真上の部屋に文句を言い続けた「クレーマー住人」の素顔

 地方自治体と都道府県マンション管理士会の共同で開催される「無料相談会」には、様々な悩みを抱える方が来訪されます。もちろん相談しただけですぐに解決するケースは稀なのですが、筆者を含めマンション管理士は少なくとも何らかの処方箋を出すことが可能です。

 【前編】『マンション管理士も驚愕、共有部分で大問題を起こした「ヤバすぎる住人」の正体』に引き続き、ここからは筆者が相談会で遭遇した事例をいくつか紹介しましょう。

----------
相談者Cさん:
69歳の女性、夫に先立たれて築34年の小規模マンションで約20年間暮らしている
----------

 Cさんが暮らす小規模マンションの管理は、TVでCMが流れている大手の管理会社にすべて委託されており、理事会はまったく開かれていません。理事長と管理会社も、“なあなあな関係”にあるようでした。そのような状況でトラブルが発生したわけです。

 始まりは5年前でした。Cさんが住むすぐ上の部屋に、妻と幼い子どもを連れた若い男性Dさんが引っ越してきたそうです。Dさんは入居前に、組合や理事会へ届け出ることなく部屋のフルリノベーションを実施しました。

 Cさんによるとそれ以来、階上から聞こえるトイレの水洗音がひどくなり、気になって生活に支障をきたしています。その夫婦は近く退去する予定で、その際に売主であるDさん立ち合いの下、管理会社、施工業者が水音調査にやってくるそうです。その時に自分一人では不安なため、筆者にもついてきてほしいという相談でした。

 相談を受けた時から引っかかっていたのですが、壁の奥にある専有部分の配管(いわゆる横管)の工事を行ったとしても、「水洗音がひどくなる」というのは経験上ありません。本当に音がひどくなっているのであれば、何か別の問題が発生しているかと思われます。ただその点を率直に伝えても、問題は解決しません。疑問を抱えながら、筆者も後日その水音調査に立ち会うことになりました。

 終始CさんがDさんに文句をつけながら調査は終了しましたが、その結果、問題は検出されませんでした。Cさんは「何かがおかしい!」とずっと主張していたものの、どこを調べても手がかりはありません。そうなると水音の原因は何かほかにあると考えられますが、結局わからずじまいでした。

 その後、なぜか上のフロアに住んでいるDさんから筆者に電話があり、ようやく事件の全貌がつかめたのです。実はCさんはかなり口うるさい「モンスタークレーマー」だったようで、Dさんが引っ越す理由も彼女が文句をつけてくるからでした。「夜中の水洗音が迷惑だから、トイレを使っても流すな!」とまで言ってきたらしく、子どもに危害が及ぶことを恐れて退去を決めたそうです。

 マンションの騒音トラブルの土台には、人ぞれぞれの「音の感じ方」やメンタルの状態など、主観的な要素が存在しています。いかに高機能な高級マンションであったとしても、近隣の生活音から100%逃れられる物件はありません。仮に生活音がうるさいと感じても、Cさんのように騒音の元だと思われる部屋へ直接出向いて、何度も直談判におよんだのはまずかったでしょう。

 これから新しい住人がDさんの部屋に引っ越してきても、同じトラブルが発生するかもしれません。すべてが終わってから、Cさんには以上の点を懇切丁寧に説明し納得した様子でしたが、果たして理解してくれたのでしょうか…? 

2022年4月21日木曜日

【ニュース】騒音トラブルか。同じマンションの住人刺殺し68歳男逮捕【宮崎県宮崎市】

 宮崎市のマンション2階通路で腹から血を流した男性(58)が見つかり、その後死亡した事件で、県警は19日、包丁で男性を刺殺したとして、殺人の疑いで、このマンションに住む無職馬場健一容疑者(68)を逮捕した。県警によると「間違いない」と容疑を認めている。

 マンションの管理会社によると、馬場容疑者は2階、殺害された職業不詳平山弘さんは3階に入居。取材に対し、平山さんには騒音トラブルがあったと話す住人が複数おり、県警は動機につながる疑いもあるとみて調べている。

 馬場容疑者は「男性が血を流して倒れている」と自ら110番。平山さんは馬場容疑者の部屋の前で発見された。


<参照元・引用元>
・福井新聞
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1535005

一戸建てvsマンション、どちらを選ぶ?約7割が「一戸建て」と回答。その理由は「騒音トラブルになりにくい」

 人生の中でも高額な買い物となるマイホーム。いざ購入しようと思った時、「一戸建てかマンションか」の選択に迷う人も多くいるのではないでしょうか。そこで、マイホームを購入したことがある全国の男女500人を対象に「マイホームに関するアンケート調査」を実施したところ、約7割の人が「一戸建て」と回答しました。また一戸建てを選んだ理由については、「生活音や騒音で隣人とトラブルになりにくい」が最多だったそうです。
保険マンモス株式会社が2022年4月に実施した調査で、おもに31~40歳(41%)、41~50歳(24%)、20~30歳(16%)、51~60歳(14%)の人が回答しています。

マンションを購入した133人に「マンションを選んだ理由もしくはメリット」を聞いたところ、「防犯性(セキュリティ)が高い」(53人)、「資産としての流用性が高い」(34人)、「室内がフラットで高齢になっても暮らしやすい」(27人)「ゴミ集積所の管理を管理会社が行ってくれる」(15人)といった回答が続きました。

一方「マンションのデメリット」については、「近隣の生活音が気になる」「毎月駐車場代がかかる」「管理費がかかる」「毎月共益費が必要」「長期にわたる少なくない修繕積立費が必要」「リフォームなど自由がききにくい」「朝の出勤時間エレベーターが混む」などの声が寄せられたそうです。

2022年4月4日月曜日

【ブログ】厄介な騒音トラブル実例 女子大生の家に豹柄&パンチパーマ夫婦が怒鳴り

 騒音、人間関係、におい……コロナ禍の自粛生活やテレワークの影響もあり、近年一層増えているという隣人トラブル。笑い話で終わるものもあるが、なかには凄惨な事件に発展することもある。厄介な隣人に悩まされないためにも、改めて実際に起きた事件や実例を参考にしてほしい。

 騒音問題が社会的にクローズアップされるきっかけとなったのは、1974年8月28日、神奈川県の県営団地で発生した“ピアノ騒音殺人事件”だろう。音に対して極度の過敏症の男(46才・当時)が、階下に住む一家のピアノや日曜大工の音がうるさいと殺意を抱き、一家の夫がいない留守を狙って8才の長女と4才の次女、33才の妻を包丁などで殺害した凄惨な事件だ。
 加害者の男は1977年に死刑が確定したものの、93才の現在も収監中。死刑囚として最高齢だという。特筆すべきは、事件直後から「犯人の気持ちもわかる」と警察に電話がかかってきたほか、騒音被害者らによる助命嘆願活動が行われたこと。もちろん殺人は許されないものの、“一億総中流時代”といわれた当時、ピアノ人口が急増し、その音に悩む人もまた増えていたという証だろう。

 その後、県営団地の床厚が増やされたほか、ピアノに弱音装置が取り付けられるようになるなど、この事件を機に騒音問題についてさまざまな光が当てられた。
 2021年4月28日朝、大阪府大東市のマンションで、女子大生が階下の男(48才)に殺害された事件も記憶に新しい。

 加害者の男は女性の部屋の玄関ドアの外側にドアストッパーを挟むなど、逃げ道を塞いだのちベランダにはしごをかけて登り、窓を割って侵入し、殺害。犯行直後に自分の部屋に戻ると放火し、自殺した。その後、男が日頃から生活音に不満を抱いていたこと、上の階の住人に監視されていると親族に話していたことが明らかになった。しかし実態は被害者に落ち度はなく、一方的な被害妄想と考えられている。
怒った隣人になすすべがなかった

 そこまで大きな事件でなくとも、騒音トラブルは身近に起こり得る問題だ。リアルケースを見てみよう。築50年の木造アパートに住んでいた21才の女子大生は、昨年、隣の部屋に住む夫婦に怒鳴り込まれたという。

「私の誕生日に友人が2人来てくれて、午前0時ちょうどにケーキにろうそくをつけてわあ!って喜んだ瞬間です。ものすごい勢いでドンドンドン!って玄関を叩かれて。豹柄のキャミソールにガウンを羽織った奥さんとパンチパーマの旦那さんから『トラック運転手してる夫が寝不足で事故を起こしたらあんたのせいだ、どうしてくれる』とか『ぶち殺したるぞ』とかめちゃくちゃ罵られました」

 その剣幕に思わず泣いてしまった女子大生だったが、普段は相手の生活音が聞こえてもがまんしていることや、ここまで怒鳴られる筋合いがあるのかという気持ちが抑えられず、つい言い返してしまったという。

「『私、今日誕生日なんです』と言ったら、奥さんがキレながら『それはおめでとう』って言ってくれて(苦笑)。いまなら笑えますけど、何をされるか怖すぎて。契約があと1年残っていたんですが、すぐに引っ越しました」

 なお、前出の「大東市女子大生殺害事件」では、同じマンションに住む男子学生が、男のただならぬ様子に危機を感じ、交番に相談したのちに引っ越しをしていた。危険な相手に遭遇したら対峙しようと考えるのではなく、逃げるという選択肢もあるのかもしれない。

<参照元・引用元>
・Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/2daa1eef7098b645f8b065d04a7b0854adef6d95?page=1

終の棲家として買ったはずの住居で思わぬトラブル

節度を超えた騒音トラブルで、終の棲家にと思っていたマンションを手放さざるを得なくなった。齢70を超え、住宅ローンを完済したばかりなのに、再びお金を借りて住み替えるというのはどう考えてもリスキーだ。 60歳でローンを組み75歳で完済 小林幸太さん(仮名)は、妻の弘子さんと都内のマン...